わたしのセルフケア手帖

心と身体のセルフケアで自分をたいせつにしよう

「在宅ひとり死」記事について社会福祉士が感じた違和感( 2 )

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前回投稿した「看取り士」についての記事なんですが、読み返してみて自分でもちょっとびっくりするくらい突っ込んでいて笑ってしまいました。まあ撤回はしませんが。

selfcare-note.net


ざっくりとネットの反応を見てみたところ「素晴らしい仕事」「自分もそうなったら頼みたい」…と好意的な意見がほとんどといった感じでした。
しかし中には医療関係者と思われる方などから懐疑的な意見も複数あり少し安心しました。

まず前提として、看取り士というお仕事をもちろん否定しておりませんし、利用者本人や家族が必要として依頼し、サービスに満足しているのであればいいことだと思います。

ただ、気になる点はいくつかあって、利用したいと思われる方もそのあたりを考慮した上で検討したらいいのではと思うところを挙げておきたいと思います。

 

1. 看取り士の基礎となる「看取り学」がどういうものなのか?

胎内体感研修
全てのことを肯定的にとらえ、逝かれる方の愛や想いを受け入れるために、胎内体感研修を行っています。

「内観」とは?
自らを客観的に見るためのワークです。内観を体験すると、ありのままの自分や現実社会を、肯定的に受け止められるようになります。柔軟で前向きな“こころ”としなやかで強い“こころ”が育ちます。医療に応用されていて内観療法とも言われています。刑務所や少年院などの矯正教育や一般の学校教育、企業研修などにも取り入れられています。

「胎内体感」とは?
当法人代表の柴田久美子は、福岡の内観道場「感性塾九州」代表の甲斐高士先生に師事し、自身も内観を10回以上行なっております。「胎内体感」は、柴田のその内観の経験と、看取りの経験を合わせた手法で、特に母親との繋がりを重視したものになります。

 

看取り士の公式サイトからの引用です。内観療法というのは正式な心理療法としてあるのでいいんですが、胎内体感となるとスピリチュアル感出てきますね…。
しかもこれ、代表の方が編み出したオリジナルの手法のようです。
代表の方は元々調理や寮母の仕事しかされてなかったみたいなので、心理療法等の専門知識もないと思われます。

「感性塾九州」のサイトを読めば何かわかるかと思って調べたんですが、一切情報が出てこなくてそれも少し怪しい気がしました。
今時、内観道場だって公式サイトを作ってなくても住所などの基本情報くらい出てきますが。

この時点で、個人的には資格取得は考え直しますね。

2. 看取り士の資格は13万ほど払って9時間学ぶだけで取得できてしまう

 

「看取り士」認定の必要事項

下記3講座のご受講で看取り士認定とさせていただきます。看取り学上級講座受講時に修了証を発行致します。

上級のご受講後、同日にマナー講座(1時間)をご受講頂きます。こちらも必須講座です。また、看取り士派遣に携わる方には実務者研修(1時間)もご受講頂きます。いずれも無料です。 コロナウィルスの影響により、上級ご受講後、修了式を行い当日は終了となります。ご受講希望の方に別日程の勉強会にご参加いただく形となります。

※ 看取り学初級講座~上級講座までは、1年以内に修了をお願いいたします。

※ 講座を修了された方が、看取り士認定登録(13,200円/年)を行うことで「認定」となります。

 

記事を読む限り、対人援助の基本である「傾聴・受容・共感」がかなり必要になると思うんですが、面接実習やロープレすらないようですね。マナー講座と実務者研修の計2時間の無料講座がコロナの影響でなくなってしまったらしいんですが、受けなくても看取り士やれるよ、ということならなんだか軽いなと思ってしまいます。
あとどの講座も3時間って。上級(1時間2万円)がどれだけ濃い内容なのか気になります。

 

「講座を修了された方が、看取り士認定登録(13,200円/年)を行うことで「認定」となります。」

毎年13200円の登録料も高いと思います。


心理系の民間資格にとても多い、資格商法と思われても仕方ない要素がある気がします。


3.  看取りプランは看取り士一人につき11万円で基本は週1回の訪問、それ以外は1時間8800円の追加料金がかかり、その時が近づいてきたら時間だからと帰ってもらうわけにもいかない。どれだけの支払いになるかを想定してその代金に見合う価値があるかどうか?


看取りプランの説明で大事なところが省かれてる気がするんですが、これって契約時から亡くなられるときまでの一律料金なのかどうかで全然違ってきます。
余命宣告はその通りにいかないことも多々あります。
契約から半年生きられたとすると、週1回月4回の訪問で24回の訪問となり単純計算で1回の訪問は4500円。訪問時間の長さは書いてないのでわかりません。
もし予定より早く最期がきて2週間のみ2回しか訪問しなかったら1回の料金が55000円です。

しかもエンゼルチームというボランティア(と言っても看取り士講座を修了したけれど看護師などの国家資格を持っていない場合は90時間この活動をしないと看取り士としての活動を認定されないようです)は1日3時間来てもらえるとのこと。この利用は上限何度までなのか。

4. 身寄りのない方の場合、必ず臨終に立ち会えるのか。


これが本当に気になるところなんですが、24時間付き添いサービスではないので急変に対応できるわけがないと思うのですがどういうシステムになっているのか。
看取り対応の訪問看護ステーションは24時間365日対応していますが、それも訪問看護の時間以外はコール対応ということになります。
本人が看取り士に電話連絡などして間に合えばいいのですが、呼び出しが間に合わなかったりそもそも呼び出す余裕もなく息を引き取られることだってあるんじゃないでしょうか。

お金のある人のためのサービスなのかなという印象はあります。
そして、ほぼ看取り専門の訪問看護師がすでにやっていることだと思うんですよね。
ただ、看取り士と本人(家族)の相性が良ければ、満足できるのかなとは思います。

 

あまり否定ばかりもしたくないので、このへんでやめておきます。
ただこの記事のおかげで看取りについての勉強もしたくなりました。そこは感謝せねば。

長々とお付き合いありがとうございました…!